しんとした、空気が透明な夜空に
金色の星がチカチカ光っているような、
そんな雰囲気の曲や絵が大好きです。

(ドビュッシーの月の光とか、スピッツのスピカとか、ゴッホの夜のカフェテラスとか)

いつかのメリークリスマスも私にとってそんな曲。
あのイントロとかサビのメロディーは、
それだけで人の心の弱くてやらかい部分に触れるような、
聴いただけでみんな一瞬、1mmくらい善人になりそうな、
そんな儚い綺麗な感じ。


チャンチャチャチャチャチャ
チャーチャチャチャチャー♪


ええなぁ、ええなぁ。





歌詞もいいですよね。

いつまでも手をつないでいられるような気がしていた

気がしちゃう...しちゃうんですよね。ええ。



そんなこんなで、
中学生の頃から大好きなこの曲。

でも、3点ほど、
「解せぬ」と思い続けていたことがありました。

でも、この前、同い年の友人とカラオケに行った時に、友人がぽちっとこの曲を入れ、

ああ、もうそんなシーズンかぁ〜
とぼんやり歌詞を目で追っていたところ、


突然、全てが腑に落ちました。

わかったんです。


稲葉さん、そうだね、
やっとわかったよ稲葉さん、、、
と(稲葉さんの)肩に手を置いて泣きたくなりました。




ここから、この曲の歌詞についての、
中学生の頃の私の見解(解せぬポイント)と、
現在の私の見解をお伝えします。








解せぬ点その①





「椅子」






だって、椅子を買うんですよ、クリスマスプレゼントに。




~中学生の頃の私~

え、なんかさぁ、そこは指輪じゃないん?  せめて、マフラーとか、財布とかさぁ。

部屋とかテーブルに合うかとかさぁ、むずかしいじゃん。いくら、欲しがってたとはいえ、実際買うとなるとさ、慎重になるよねそこは。

だいたい、1脚なの?座椅子なの?どゆこと? 花瓶とか置く感じ?

サプライズにはしなかったのかなぁ。

彼女、迎え入れた時、
「うわ、やばいなんか超でかい包みもってる。あのでかさやばい」
って思っただろうなぁ、
とか。


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僕は走り 閉店まぎわ
君の欲しがった椅子を買った
荷物抱え 電車のなか
ひとりで幸せだった

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配送にはしなかったんだ。。。
電車で椅子を持って帰ったんだ、ニヤニヤして。。。


と、椅子に対して、
美しいメロディーも歌詞も帳消しにするくらいのインパクトを感じていたのですが、、、
 



~現在の私~

うわぁ、、、椅子かぁ。
それ、相当覚悟いるわ。

ほぼ同棲してたのかな、一緒に住む予定だったんかな。
いずれによ、かなり生活の深部にINABAがくい込んでいたことは間違いない。


だいたい、別れちゃったらさ、辛いじゃん、椅子とか。
大きくて目に付くし、処分しづらいし。


そんなリスクも見えないくらい、
いや、見えない振りをしていたいくらい、
バーニングな恋だったんだなぁ。


いや、男だよ稲葉さん。
椅子とはね、男の中の男だよ。










解せぬ点その②






「突然泣き出す」






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部屋を染めるろうそくの灯を見ながら
離れることはないと
言った後で 急に僕は
何故だかわからず泣いた

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~中学生の頃の私~

え、、、何故だかわからずって、何故よ。
突然泣かれても、ちょっと怖い。。。





~現在の私~

泣くよそこは、泣くんだよ。
理由なんてないよ。

むしろ泣いてくれて嬉しいよ。









解せぬ点その③






「終わり方」

 



~中学生の頃の私~

・・・あ、終わったなー。
次は「恋心」でも聴こうかなー。





~現在の私~

めっっっっっちゃ辛いわ何この終わり方。
昔はなんとも思わなかったけど、これは・・・。


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立ち止まってる僕のそばを 誰かが足早に
通り過ぎる 荷物を抱え 幸せそうな顔で
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やめてぇぇ。もうやめてぇ。
その立ち止まる僕と通り過ぎる他人の切なすぎる対比やめてぇ。涙



動いて、稲葉さん、動いて。

雪降り積もって、風邪ひいちゃうよ。。。


とりあえず、おこたに入って、
スープ呑めば、そのうち大丈夫になるから、さ。。。




椅子まで買う仲だったのに・・・
駄目だったか・・・。 

この傷は多分、浅くはなっても
ずっと残る類のものなんだろなぁ。


老人になって、痴呆が進んだ時に、
ポッと蓋が取れて底の方から出てきてしまうような記憶になるかもしれない。



「椅子は、、、どこじゃ、
ワシが閉店間際に走って買いに行ったあの椅子は、、、」










そんなこんなで、
昔聴いてたのと、今聴くのでは、
歌詞の重みが全く違うことに驚きました。


「がむしゃらに夢を追いかけ」て、自分が渦中にいたころには見えなかったいろいろが、

こうして言語化できるくらいハッキリしてしまったのは、
なんだかもう随分遠くまできたような、
自分は今どこに立っているんだろうと、
少し心許ない気持ちになります。



たぶん、この曲を書いた当時の稲葉さんの年齢に私が近づいたのかな、と

CDの発売年(1992年!想像してた以上に昔の曲)と
稲葉さんの誕生年から、当時の彼の歳を計算したところ・・・




28歳




でした。





今の私と同じ歳や・・・。
ちょっと背筋が寒くなった。

そうか、染みるわけだなぁ。




時間の風雪に耐えうる良いものは、
定点となってそこにとどまり、
自分の変化を映し続けてくれます。



数十年後にこの曲を聴けば、
きっと、「青いな」と笑えるんじゃないかなぁと思えることは 

ちょっとした希望の光です。